今年もまた花粉が盛んに飛散しています。昨年夏の猛烈な暑さの影響で、関東の一部では花粉の飛散が例年の3倍以上と言われています。
花粉症の原因の花粉とは、種子植物の雄性配偶体で、雄しべにある葯(やく)と呼ばれる袋の中でつくられる顆粒(かりゅう)のことです。
直接または風・虫・鳥などによって雌しべの柱頭に運ばれます。
花粉の直径は0.032㎜(約1/30mm)、重さは12ナノグラム(約1億分の1グラム)と非常に軽く飛散しやすい粒径です。
直接または風・虫・鳥などによって雌しべの柱頭に運ばれます。
花粉の直径は0.032㎜(約1/30mm)、重さは12ナノグラム(約1億分の1グラム)と非常に軽く飛散しやすい粒径です。
花粉は季節を問わずほぼ一年中飛散しています。
・ハンノキ :2月・3月
・スギ :2月・3月・4月
・ヒノキ :3月・4月
・カモガヤ :5月・6月
・ヒメガマ :6月・7月
・ブタクサ :8月・9月
・カナムグラ :9月・10月
・アキノキリンソウ:10月・11月
日本においては1960年にブタクサ花粉症について研究発表がなされ、その後1964年にスギ花花粉症が報告され、多くの花粉症例が知られるようになりました。
スギが本格的に花粉を作るのは、早い場合で25年生前後、通常は30年生程度からと言われ、その生産量は、雄花の分化が始まる7月の気象条件に大きく左右され、晴天の日が続き気温が高いと生産量は増加し、降水量が多いと減少します。
飛散量は関東圏の通常年では1㎥当り数十個、多い年で1㎥当り数百個程度です。
ちなみに2011年の都市部10観測地点の平均では、2月26個/㎥・3月105個/㎥・4月103個/㎥・5月27個/㎥で、やはり3月・4月の飛散量がおおいことが窺えます。
飛散量は関東圏の通常年では1㎥当り数十個、多い年で1㎥当り数百個程度です。
ちなみに2011年の都市部10観測地点の平均では、2月26個/㎥・3月105個/㎥・4月103個/㎥・5月27個/㎥で、やはり3月・4月の飛散量がおおいことが窺えます。
人間の身体には、体内に侵入しようとするウィルスなど外敵(異物)を排除しようとする働き(免疫機能)があります。
ストレスなど様ざまな要因で免疫機能のバランスが崩れると人によってはアレルギー反応が起こり、無害な植物の花粉にまで免疫の過剰反応が働き、花粉症にかかります。
ストレスなど様ざまな要因で免疫機能のバランスが崩れると人によってはアレルギー反応が起こり、無害な植物の花粉にまで免疫の過剰反応が働き、花粉症にかかります。
アレルギーが目や鼻でおきると花粉症、気管支でおきると喘息、皮膚でおきるとアトピーとなります。
花粉に対するアレルギーによっておこる鼻炎や眼の症状が【花粉症】です。
全国での推定発症者は2000万人を超えたと言われ、その7割がスギ花粉症です。
その症状は、クシャミ、水性鼻汁、鼻塞、目のかゆみ、流涙の他、場合によっては頭痛、全身倦怠等の症状も現れます。
全国での推定発症者は2000万人を超えたと言われ、その7割がスギ花粉症です。
その症状は、クシャミ、水性鼻汁、鼻塞、目のかゆみ、流涙の他、場合によっては頭痛、全身倦怠等の症状も現れます。
関東での花粉症の有病率は29.8%(鼻アレルギー診察ガイドライン平成21年版)で有病率は特に都市部において高くなる傾向があり、埼玉42.9%・東京33.8%・神奈川34.6%で、環境省では花粉症の悪化要因の可能性として、空気中の汚染物質やストレスの影響、食生活など生活習慣の欧米化による影響を指摘しています。
また旧科学技術庁の調査では花粉病患者に関わる医療費・医療関連費(市販薬・マスク等)・労働損失額を推計すると、その額は年間2,860億円としています。
また個人消費にも影響を与え、花粉の飛散量が多い年は外出を控えることから、一般消費やレジャー消費が落ち込むとされております。
また個人消費にも影響を与え、花粉の飛散量が多い年は外出を控えることから、一般消費やレジャー消費が落ち込むとされております。
花粉の飛散シーズンは概ね4月一杯ですが、黄砂とPM2.5は6月ころまで続くと言われています。大気の汚染により喘息の悪化など呼吸器系の病気や循環器系の病気や、発がん性物質の影響によるガンの恐れも言われています。
最近ではPM2.5の高濃度の地域ほど、心臓発作を起こした患者の経過が悪く、死亡率が高まる恐れがあると英ロンドン大学の研究チームが発表しました。
住宅などの換気にも外気を取り込むため十分な配慮が必要です。
室内の良い空気環境を保つことが大切です。
空気清浄器や空気清浄効果の高い抗酸化資材などを活用しましょう。
室内の良い空気環境を保つことが大切です。
空気清浄器や空気清浄効果の高い抗酸化資材などを活用しましょう。
◆花粉症と放射能
平成25年2月、農林水産省は「スギ雄花に含めまれる放射性セシュームの濃度の調査結果」を公表しました。
調査箇所は福島県内132箇所のスギ林のうち、空間線量が高い地点から低い地点まで均等に分布するように選定した31箇所です。
調査期間は平成24年11月6日から平成24年12月26日までの約50日間です。
調査箇所は福島県内132箇所のスギ林のうち、空間線量が高い地点から低い地点まで均等に分布するように選定した31箇所です。
調査期間は平成24年11月6日から平成24年12月26日までの約50日間です。
その結果、放射性セシュームの最高値は平成23年度の3分の1程度、スギ雄花1kgあたり約9万ベクレルで、23年度の25万3千ベクレルから大幅に減りましたが、この原因は分かっていません。
また、この濃度の放射性セシュームを含むスギ花粉が飛散し、人が体内に吸入した場合に受ける放射線量を試算したところ、1時間当たり最大0.0000715マイクロシーベルトとなり、平成23年度の試算値(1時間あたり最大0.000192マイクロシーベルト)より低い値になったとのことです。
いずれも人体に影響のないレベルとされています。
また、この濃度の放射性セシュームを含むスギ花粉が飛散し、人が体内に吸入した場合に受ける放射線量を試算したところ、1時間当たり最大0.0000715マイクロシーベルトとなり、平成23年度の試算値(1時間あたり最大0.000192マイクロシーベルト)より低い値になったとのことです。
いずれも人体に影響のないレベルとされています。
放射線の単位は放射能の強さを表す単位として<ベクレル(Bq)=放射線物質から1秒間に出る放射能の数を表す>と、線量を表す<シーベルト(Sv)=放射線によってどれだけ影響があるかを表す単位 1シーベルト(Sv)=1000ミリSv=100万マイクロSv)があります。そして線量はあくまで「積算量」です。
*出展:国連科学技術委員会(1992年報告)
5%致死量が200ミリSv、50%致死量が4000ミリSv、100%致死量が7000ミリSvと言われています。
放射能によるガンのリスクは調査では、100ミリSv以上の線量で、線量の増加共に発生確率が高くなることが認められています。
花粉症と放射能の関係については、平成24年1月に日本保健物理学会が、横浜市在住者への回答として、「仮に放射性物質が花粉に付着した場合でも、吸引するのは、そのうちごく一部であり、健康に影響を及ぼすものではありません。
したがって子供が学校で生活するのに支障のない範囲での防御策としても、一般的な花粉症対策として挙げれらるマスクを着用すればよい。
また、花粉症の人が花粉症でない人より被ばくしやすいこともない」と、花粉と放射能の関係について整理しています。
したがって子供が学校で生活するのに支障のない範囲での防御策としても、一般的な花粉症対策として挙げれらるマスクを着用すればよい。
また、花粉症の人が花粉症でない人より被ばくしやすいこともない」と、花粉と放射能の関係について整理しています。
しかし今年の花粉は前年比6倍にも増加すると言われ、1kg当たりベクレルは減じたとしても、全体の放散量は増えているので、人体に影響のないレベルと言え、外出時には高性能マスクの着用や、帰宅時の手洗いうがいなど、花粉・放射能・PM2.5に備えることが必要です。
マスクの効用は、マスク表面に核種の測定ができ、マスク全体の表面に付着したことが確認でき、花粉症対策用マスク程度のものでも、内部被ばく低減のための防護効果が認められています。
マスクの効用は、マスク表面に核種の測定ができ、マスク全体の表面に付着したことが確認でき、花粉症対策用マスク程度のものでも、内部被ばく低減のための防護効果が認められています。