2013年1月28日月曜日

健康ニュース 2013年1月28日

日本では2003年の建築基準法改正により、<シックハウス対策>が法整備され
ましたが、充分とは言えず、多くの人がその症状に苦しんでおります。
隣国の韓国では、日本より一歩踏み込んだ法整備がされ、その効果が期待され
ます。
中国ではまだまだ国民の「室内空気質」への関心が低く、多くの被害が報告さ
れています。
◇韓国の室内空気事情
韓国では戸建住宅より共同住宅が圧倒的に多く、1団地1000戸世帯以上の団地
は新築住宅戸数の17%を占め、同じく500戸以上の団地は78%に達します。
既存住戸でのシックハウス発症は全体住戸の20%位との事です。
2012年12月より【清浄健康住宅建設基準】が制定実施されました。
<多様な類型の汚染源が共同住宅などに過多に多用されている>実情 から法
整備が行われました。
 
12月から施行された制度の一つに、「建材の汚染物質放出量表示」と「木質板
状製品認証制度の導入」があります。
 
「建材の汚染物質放出量表示」とは、当該建材の汚染物質の放出量表紙を付け
ることを義務化。
「木質板状製品認証制度」は、基準に合致している旨の認証を表示します。
また、家具などの木質製品では、認証表示を義務化してます。
【清浄健康住宅】では<最少基準>と<勧奨基準>があり、どちらも日本とし
ても大いに参考になります。
<最少基準>は、室内空気汚染物質低放出製品適用品・有害元素の環境表紙認
証基準適合・換気性能の確保等がうたわれています。
<勧奨基準>は、親環境電子製品・調湿建材・吸着建材・抗菌抗カビ建材の適
用など、シックハウス対策を十分に織り込んだ基準となっています。
日韓では住宅への考え方が異なりますが、日本ではここまでの規制はまだ出来
ていません、日本のシックハウスの現状を見ますと、このような法整備が必要
と思われます。
◇中国の室内空気事情
2012年5月10日、中国メディア・中国網は「中国における室内空気汚染による死
亡者数は年間約11万人にのぼり、交通事故による死者数と同水準である」と報
じました。
年間11万人、驚くべき数字です。1日約304人が室内空気汚染により死亡してい
ます。
このデータは中国室内装飾教会環境検査測定センターによるものですが、「一
般市民が室内空気環境に対して、明確な概念を持っていないことが、原因の一
つ」としています。
中国では人体に影響のある化学物質として、ホルムアルデヒドベンゼン、ア
ンニモア、ラドン、総揮発性有機化合物(TVOC)の5項目について基準値を設け
ています。
しかし、上海などで6都市で行われた調査ではホルムアルデヒドを例にとると、
調査対象の93%が基準値を超えていたとの報道もあります。
 
別の調査では内装にエコ製品を使用している住居の比率は0.03%に過ぎず、70
%以上の住居では内装による汚染状況が安全基準を上回っており、そのうち34
%の住居では基準の10-20倍を上回る深刻な状況にあるとしています。
また、都市部の白血病の児童のうち、8割以上が半年以内に住居の内装を行っ
ていたとするデータもあります。
ある専門家は児童の白血病発症要因に、日本では殆ど検出されない”ベンゼン
での汚染をあげています。
中国政府は、室内汚染は深刻で、法整備に非常に力を入れており、この分野の
事業に従事する外資系企業の参入を許可、奨励する政策も多いとの事です。
 
いずれにしても、中国の室内空気汚染状況は非常に深刻です。年間11万人の死
亡が容認されてよい訳はありません。
国民に<良い空気環境の必要性>を知らしめ、一日も早い法の整備施行が望ま
れます。

ReN空間創造プロジェクト

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