◇木製ベットから発生する化学物質等
―ホルムアルデヒドを中心に―
新築の住宅はきれいな室内空気でも、後から入る家具類からの化学物質放散に
よる空気の汚れは良く耳にするところです。
室内空気質測定でも、新築時建物だけの空気質は低位の数値であっても家具搬
入後、化学物質による空気質の悪化は良く経験致します。
国として現在のところ、業界に自主規制に委ね国としての規制は行われており
ません。
(独)国民生活センターのPIO-NET(全国消費生活情報ネット)には家具から発
生するにおい、化学物質やシックハウスに関する相談が2003年以降2008年8月末
までに1,045件寄せられました。
その中でもベット類に関するものが214件にのぼり、「目がチカチカして気分が
悪くなった」「塗料のにおいがきつく頭痛や鼻づまりなどの症状が出た」などの
危害情報が113件と半数以上をしめています。
相談件数の多い家具は1位:戸棚類、2位:ベット類、3位:タンス類4位:椅子類、
5位:机・テーブル類です。
一方、危害情報は1位:ベット類、2位:戸棚類、3位:机・テーブル類となって
おります。
同センターでは大手通販サイトから7銘柄のベットについてテストし結果を公表
しました。
その結果
・設置1日後に、7銘柄中3銘柄で指針値を上回るホルムアルデヒト濃度となり、
1銘柄は指針値の7倍以上であり、2銘柄は15日経っても指針値を上回った。
・換気により、一時的にはホルムアルデヒド濃度を減少させることはできるが
換気をやめると1時間後にはホルムアルデヒド濃度は換気前の70%まで戻った。
・ホルムアルデヒドの室内濃度が高くなった3銘柄は、ベッドのJIS規格に適合
しないほど、ホルムアルデヒドの放散量が多いものがあった。
・においの強いものはTVOCの室内濃度も高い傾向にあった。一方、ホルムアル
デヒドの室内濃度とにおいは相関がなく、ホルムアルデヒドの濃度が高くて
もにおいでは分からない。
・77%の事業者がホルムアルデヒドを低減化した商品を扱っているが、低減化
のレベルには差があった。
特に新しい家具については、化学物質を減衰することが大事です。
また、換気も重要なことです。
建物も家具も抗酸化資材で最適な環境にしましょう。
詳しくはこちらから
◇家具のVOC対策等実態調査及び今後のあり方を検討する調査事業
経済産業省の上記調査事業が公表されています。建築関係は2003年施行の建築
なりましたが、一方、室内で使用される木製家具については規制がなく、業界
団体・メーカーはそれぞれ自主基準を定め、それに基ずくマーク表示等をして
おりますが、このマーク表示は自主表示制度であることから、近年急増してい
るアジア諸国等からの輸入家具には対応できていません。
これを受け国は、木製家具及びそれに使用される材料(木質材料・接着剤・塗
料等)からのホルムアルデヒド・VOCの放散量の低減化の徹底をはかる事を進
めています。
家具関連業界の化学物質規制は(社)日本家具産業振興会の室内環境配慮マー
クなど、各業界で定めていますが、業界としてまとまってはおらず、国として
の指針(法)の整備が急がれます。
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ReN空間創造プロジェクト
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