文部科学省から「平成25年度学校保健統計調査結果」が公表されています。
調査対象は満5歳から17歳までの園児・児童・生徒の一部で約400万人が対象
です。また、継続調査の「ぜん息」についても公表されています。「ぜん息」
の者の割合は、昭和42年度からの47年間で各学校段階で数十倍にと飛躍的
に増えています。これは大気汚染や室内空気質に大きな原因があると思われま
す。平成15年のF☆☆☆☆規制以後も平成22年度まで右肩上がりの増加傾向
でしたが、平成25年度は前年度と比すると、中学校では増加し過去最高とな
っているが、幼稚園及び小学校では2年連続、高等学校では3年連続減少の傾
向がでています。年齢別では6歳から14歳の各年齢で3%を超えており、6
歳が4.39%と最も高くなっています。6歳以降は年齢が進むにつれて減少して
います。
ぜん息は空気の通り道である気道が常に炎症を起こしている病気です。この気
道の炎症がアレルギー反応によっておこるものを「アトピー型(アレルギー性
)」、それとは違う仕組みでおきるものを「非アトピー型(非アレルギー性)」
とよんでいます。
こどものぜん息の約90%、おとなのぜん息の約60%がアトピー型ぜん息と
いわれ、ぜん息にはアレルギー反応が大きくかかわっていると言えます。アト
ピーには体内や皮膚に触れる空気質が大きく影響しています。また、最近発表
された兵庫医科大の調査によると、PM2.5に含まれている特定の物質「硫黄イオ
ン」が、ぜんそくの発作と関連しているとのことです。この硫黄イオンは石炭
や石油を燃焼などで排出されます。5年間の調査では、大気1立方メートル当り
のPM2.5濃度が環境基準の1日平均35マイクログラムを週1日超えただけでぜん
息発作の率が全年齢で7%、0~14歳では13%増加し、さらに硫黄イオン
が含まれていた場合は発作の率が10%高くなるとのことです。
まだ免疫力が低いこどもには、良質な空気環境が必要です。PM2.5の数値によ
っては外気との換気に注意したり、住宅の空気質を測定し、化学物質の濃度を
知ることや、化学物質が検出されたら減衰方法を講じるなど、こどもを取り巻
く空気環境を改善することは大切な事です。
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