(独)東京都健康長寿医療センターでは、【東日本における入浴中心臓機能停
止者(CPA)の発生状況 -東日本23都道府県の緊急搬送事例4264件の分析報
告書―】25年3月に発表しています。
入浴中の急死者数は“家庭内での溺死者”数のおよそ3~4倍に上がると言わ
れていますが詳細のデータはまだありません。今回の調査は東日本23都道府県
の447消防本部の協力を得て実施。2011年の1年間に消防隊が緊急要請を受け、
救急隊が現場に行った時に、その対象者が「心臓機能停止者(CPA)」だった
事例のうち、現場が浴室だったものの年齢、性別、覚知月日の三項目を調査し
たものです。
この調査結果に基づき、同センターでは、不搬送(現場到着時既に死亡、デー
タ不詳)件数も推計し、全国で2011年の1年間で「浴室での心臓機能停止者」が
約17000人と推定し発表しています。(うち14000人くらいがが高齢者と推定)
①性別CPA件数(人)
CPA人数で65歳以上総数は4252人、男性は2206人、女性は2046人で前期高齢者
では男性が、後期高齢者では女性に多発しています。
②月別CPA件数
CPA件数は冬に集中しています。最も多い1月のCPA件数779件で、最も少ない8
月のおよそ11倍です。
③時刻別CPA件数
ほぼ16時から0時の時間帯に分布、ピークは20時の526件で16時から20時まで
は増加し、21時以降は減少しています。
④高齢者1万人あたりCPA発生件数
発生件数の上位3県は、山形県(4.77件)、長野県(4.68件)、栃木県(4.58
件)で、下位3県は北海道(2.03件)、山梨県(2.54件)青森県(2.58件)で
す。
⑤地域・家族数との関係
特に入浴中の急死・突然死は県別データでは、必ずしも寒冷地で多発してい
るわけではなく、また、独居よりむしろ大家族で生活しているような地域で
多く見られる傾向です。
⑥対策
同長寿医療センターでは、25年12月に「冬場の住居内の温度管理と健康につ
いて」として、このCPAの主な原因は脱衣所・浴室等の温度低下による「ヒー
トショック」とし、その対策について提言しています。
・脱衣所や浴室、トイレへの暖房器具設置や断熱改修⇒ユニットバスへの改
修は有効としています。
・シャワーを活用してお湯はり⇒浴室全体を暖める
・夕食前・日没前の入浴⇒外気温が比較的高い
・温湯設定41度C以下
・一人での入浴を控える⇒家族の見守りや公衆浴場・日帰り温泉等の活用
・食事直後・飲酒時の入浴を控える
「ヒートショック」の危険性が高い人は、高齢者は特に注意ですが血圧の高い
人や生活習慣病の人も要注意としています。
浴室では特に【入浴時の温熱環境を適度に保つ事】とし、トイレにおいては薄
型暖房器具や、「ヒーター一体型天井照明(ポカピカなど)の設置が望まれま
す。また中古住宅においては適切に断熱改修をすることの重要性を報告書では
示しています。
詳しくはこちらのPDFファイルを御覧ください。
http://www.tmghig.jp/J_TMIG/release/pdf/20130328_takahashi.pdf
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