厚生労働省は「H24年度家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」を公表しています。
モニター病院(皮膚科・小児科)から毎年報告されているもので、H24年度で報告された事例報告は1.576件(前年度1.491件)です。
今回の報告のポイントは次の3点です。
・皮膚障害は、装飾品(金属製)が29件と最も多く報告された。
・小児の誤飲事故は、タバコが99件と34年連続で最も多く報告された。
・吸入事故等は、殺虫剤が296件、洗浄剤(住宅用・家具用)が175件報告された。
「皮膚障害に関する報告」の件数は90件(前年度119件)で、最も多く報告された家庭用品の種類は「装飾品」で件数は90件です。性別では女性が66件と大半を占めています。また、皮膚障害の種類は「アレルギー性接触皮膚炎」48件と、「刺激性接触皮膚炎」27件がほとんどを占めています。
「小児の誤飲事故に関する報告」の件数は385件(前年度348件)で、最も多く報告された家庭用品の種類は「たばこ」で99件です。誤飲した年齢は生後6~11ヶ月が最も多く125件、12~17ヶ月が85件、18~23ヶ月が52件、2歳児が41件です。このうち死亡事故はありませんでしたが、入院・転科・転院した事例は23件となっています。
報告では「事故は家族が小児に注意を払っていても発生、小児のいる家庭では、小児の手の届く範囲ではできるだけ、小児の口に入る大きさのものは置かないように注意を」と呼び掛けています。
「吸入事故等に関する報告」の件数は、1.101件(前年度1.024件)で、最も多く報告された家庭用品の種類は「殺虫剤(医薬品・医薬部外品を含む)で296件です。年齢別では、9歳以下の子どもが最も多く439件と4割近くを占めています。また、製品の形態では、スプレー式の製品が最も多く530件、次いで液体製品が315件です。
報告では「事故の発生状況を見ると、使用方法の・製品の特性について正確に把握していれば事故の発生は防ぐことができた事例や、わずかな注意で防ぐことができた事例も数多くあり、製品の使用前には注意書きをよく読み、正しい使用方法を守ることが重要」としています。
どの事故例も家庭内での家族同士のわずかな気配りで、事故を未然に防ぐことが出来ます。特に乳幼児、小児や高齢者がいる家庭では、手や口に入る位置・高さに危険が予測されるものを置かないなどの対策をとりましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿