2014年12月10日水曜日

乳幼児突然死症候群(SIDS)・たばこ

乳幼児突然死症候群(SIDS)は、それまで元気だった乳幼児が、事故や窒息でなく眠っている間に突然死亡してしまう病気です。厚労省によれば、日本での発症頻度は出生6,000人~7,000人に1人と推定され、生後2か月から6か月に多いとされています。H23年には全国で148人の赤ちゃんがこの病気で亡くなっています。

SIDSの原因はまだわかっていませんが、男児、早産児、低出生体重児、冬季、早朝から午前中に多いことや、うつぶせ寝や両親の喫煙、人工栄養児で多いことが、H9年度の厚労省「乳幼児死亡の防止に関する研究」で分かっています。

同研究では育児習慣等に留意することで、SIDSの発症リスクの低減が期待されるとしています。主な注意点は次のようです。
・うつ伏せ寝は避ける。
 ・たばこはやめる。
 ・できるだけ母乳で育てましょう。

H9年の調査では、SIDS児はうつ伏せ寝、母乳栄養でない児、両親の喫煙により3.004.83倍多く発生されると結論されています。

たばこについては「たばこはSIDS発生の大きな要因」とし、H9年度研究では、両親が喫煙しない場合の約4.7SIDSの発症率が高いと報告されています。

ある研究では、父、母共に喫煙している場合、両親若しくは母親が喫煙していない場合より、SIDSを引き起こす確率は47倍に増えるとされています。
さらに、母親の一日あたりのたばこの本数が増えるほど危険率は上昇、1日当り20本を超える場合、19本未満の時よりも1.4倍に、両親が喫煙し20本以上の場合、両親とも喫煙していない場合より7倍以上に危険度が上昇しているとされています。

また、妊娠中の喫煙は胎児の体重が増えにくくなり、呼吸中枢にも良くない影響を及ぼすとの事です。また他人の副流煙でも同じような事が懸念されます。

たばこを吸うと、母体の血管が収縮し血流が悪くなり、血液中の酸素が不足し胎盤機能が低下、胎児への栄養や酸素が不足してしまいます。妊娠中にずっと喫煙していた場合、タバコを吸わなかった人に比べて低体重児の発生率は約2.5倍、早産の発生率は約3.3倍になるとも言われています。妊娠中の喫煙の禁止や、副流煙を受けやすい場所へ近寄らないなど、胎児への影響を最小限にとどめましょう。


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