2014年12月9日火曜日

平成25年「低層住宅の労働災害発生報告」

(一社)住宅生産団体連合会は、会員企業に対し休業4日以上の労働災害発生
状況についてアンケート調査し、平成25年1月~12月の調査結果を公表し
ています。

平成25年の調査概要は、対象企業数598社、完工棟数(新築)17万余棟、リ
フォーム37万棟、解体工事1.9万棟、労働災害発生件数492件です。

労働災害事故は増改築工事では減少したが、新築工事と解体工事では大幅に増
加しており、安全教育の徹底が必要としています。

H25年も建方、内部造作工事における災害発生比率が高いのは前年と同様の
傾向。建て方時の労働災害は全労働災害数の28.7%と約3割近く、次いで内部
造作時が16.7%となっており、建方作業時は安全帯の使用は勿論のこと、墜転
落防護ネットの設置や開口部転落防止措置等の安全設備の充実を図り、適正な
工期の確保や現場入場者に対しては、災害発生防止教育の充実と共に現場で「
不安全行動をしない・させない」の普及啓発が重要であるとしています。

職種別では「大工」の労働災害は全労働災害数の52.8%と半数に達し、次いで
「トビ足場」が10.2%と例年と同様の傾向です。また、「一人親方」の割合が
2年連続で増加し、平成17以降最も高い割合です。「一人親方」等に対し、
万が一の災害補償対策として「労災保険の特別加入制度」等への加入促進が重
要です。

年齢別では平成25年は、平成23年に減少した50歳代及び60歳以上の災
害発生割合が平成24年に引き続き増加し、40歳台についても増加し、40
歳以上で63.4%をしめ、今後も低層住宅に携わる作業者の高齢年化が進むと予
想され、40歳台以上の災害発生比率の増加が懸念されています。

高齢者による労働災害の防止については、高齢者自身の運動能力の低下ならび
に、反射神経の低下を自覚させることが大切で、また、事業主や管理者は高齢
作業者が運動能力を把握するための教育訓練の実施、運動能力低下を意識して
作業を行う事への意識付や高齢作業者の健康状態の把握、高所作業への配慮な
どが必要であると注意を促しております。

平成25年労働災害の大きな要因としては、消費税増税の影響による工事量の
増加、コスト競争による安全対策費の削減、経験豊かで安全知識豊富な高齢作
業者の引退・廃業等での減少、それによる危険感受性・プロ意識の低下等が考
えられると指摘しています。工法別の災害件数のトップが<木造在来軸組>の
183件・37.1%と約4割近くが、在来工法でおきています。

報告にある建て方時、内部造作時の墜転落や工具での事故が多いと思われ、「
墜転落防止」・「工具災害防止」等の教育を徹底し、安全経費(足場等の直接
工事に絡まない経費)につい地域工務店・ビルダーでどこまで年間予算として
計上し、安全対策に時間と費用を掛ける事が、事故防止の観点から重要な事と
思われます。


0 件のコメント:

コメントを投稿