2015年3月18日水曜日

スギ雄花に含まれる放射性セシウム濃度(福島県)

未曾有の東日本大震災と福島第一原発事故から4年が経ちました。復興も予定より大きく遅れ、多くの方がいまだに大変なご苦労を重ねています。

林野庁は平成271月に「スギ雄花に含まれる放射性セシウム濃度」を公表しました(この調査は福島県内です)。

花粉飛散の最盛期を迎えていますが、林野庁は「森林に降下した放射性物質が、スギ花粉の飛散により再拡散することが懸念される」ことから、福島県内でH23年度及び24年度の秋にスギ花粉の放射性セシウム濃度をスギ雄花から予測する調査を実施しました。

24年度の放射性セシウム濃度は平成23年度の同じ調査地の値と比較すると、全体としては半分程度に低下していますが、森林内には放射性セシウムが存在しており、平成25年度も同じ福島県内24地点で調査を行いました。やはり空間線量の高い地域では雄花中の放射性セシウム濃度も高いとのことです。

今回調査した各地点の値を同一地点の平成23年度の値と全体的に比較すると、平成24年度は平成23年度の半分程度、平成25年度は2割程度、さらに平成26年度は1割程度に
濃度が低下していたとのことです。

また、今回調査のスギ花粉に含まれる放射性セシウム濃度は1キログラムあたり約25千ベクレルであり、平成23年度の最高値と比較すると、平成24年度は1/3に、平成25年度は1/4程度、平成26年度は1/10程度に濃度が低下していました。

以上のことから林野庁では、今回調査の最高濃度の放射性セシウムがスギ花粉に含まれ大気中に飛散し、これを人が吸入した場合に受ける放射線量を、これまでと同様の前提条件で試算をしたところ、1時間当たり最大0.0000215μSvとなり、平成23年度試算の1割程度になっているとのことです。(平成26121日の東京都新宿区で観測された放射線量は1時間で0.036μSvです)

この調査により年々その値が低下している事は分かりますが、セシウムの場合、放射線量の減衰割合は0年を1.0とすると、4年後は0.4410年で0.24となりますが、セシウム137の場合は半減期が30.2年と長期間にわたり、原発事故の後遺症が後のちまで人々の生活に大きな影響を与えているかが分かります。

この調査は福島県内が対象ですが、その他の地域ではどうなのかなど知りたいものです。


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