中国から飛来するPM2.5について数年前から大きな環境問題、大気汚染問題として報じられてきました。日本においては空気清浄器や換気設備などで、いかにPM2.5を除去できるかの技術開発が行われ、続々と新しい機能を備えた機種が発表されています。
PM2.5の発生源と見られる中国でも重大な環境問題・健康被害問題として取り上げられ、国としての改善策が打ち出されていますが、まだまだその効果は上がっていないようです。
中国の現状はどうなっているのでしょう・
本日3月12日12時に更新された北京のリアルタイム大気質指標(AQI)は、ここ2日間の微小粒子状物質「PM2.5」を含む汚染の指数は402に達し、最悪レベルの「重汚染(米国分類=Hazardous:危険)と報じています。この中国の“重汚染”は<屋内に留まり、体力消費を避ける。すべての者は、屋外活動を中止>のレベルとしています。
報道によると、2013年は中国31都市の約25万7000人の死亡にPM2.5が影響を及ぼし、特に石家庄、済南、長沙、成都、南京、武漢の六都市は平均すると10万人中114人以上がPm2.5の影響で命を落としているとのことです。
また、中国メディアの北京晨報が、「北京で最も発生率の高いがんは肺がんで、次いで大腸がん、胃がんの順。過去10年間で肺がん発症者は43%増加し、特に35歳以上の肺がん発症率が急上昇している」と報じています。
中国環境保護省が発表した2014年の大気汚染状況によると、微小粒子状物質「PM2.5」などの年間平均濃度が環境基準内に収まったのは、主要74都市のうち8都市にとどまり、前年の3都市から増えたものの「依然として中国の大気汚染は深刻だ」としています。王安順北京市長は「今の北京は確かに居住に適した街ではない」と発言、波紋が広がっています。
政府系シンクタンクの国務院発展研究センターは、中国の主要な大気汚染物質の排出総量が2016年~20年の間にピークを迎えるとした研究結果を明らかにし、「汚染物質を現在のレベルから60%以上削減しなければ、明らかな改善は実現せず、この過程には20年前後の時間が必要」と発表しています。
その中で、大気については、二酸化硫黄や窒素酸化物などの排出は既に増加から減少への転換期を迎えたが、揮発性有機化合物(VOC)や重金属などのピークは今後5~10年の間と予測し、環境対策に関し「20年前後までが重要な時期となる」と強調しました。
“60%の削減・20年間の期間”いずれも大変な目標と時間ですが、ここまでの事をやらないと中国の大気汚染問題は解決しない問題です。
増え続ける人口問題、好調な経済を支え続ける生産活動、石炭を主とするエネルギー問題など、大きな課題が山積しています。
しかし、日本にとっても中国から飛散してくるPM2.5などは放置できない問題です。日本がかっての環境汚染を克服してきたように、日本の技術も大いに活用し、少しでも中国の環境改善に役立てばと考えます。
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