2014年9月17日水曜日

高齢者の家庭内事故(1)  重症化傾向

「平成25年版消費者白書」によれば、消費者庁と国民生活センターが共同事業として行っている「医療機関ネットワーク事業」に参画する13医療機関での、高齢者の事故のデータがあります。
201012月から201212月までの約2年間で、高齢者の事故情報は669件です。

20歳以上の事故の発生場所は「住宅」での発生が一番多く1,203件で、全体の7割を超えており、家庭内事故は大きなウェイトを占めています。
年代別では、65歳未満が71.4%、65歳以上は77.1%とあまり差が見られませんが、65歳以上の事故の重症化している傾向が見られます。20歳以上65歳以下では「重症・重篤・死亡」が1.6%ですが、65歳以上では7.2%と約4.5倍となっています。
さらに高齢者のうち75歳未満、75歳以上に分けて危害の程度を見ると、「重症」以上は4.6%ですが、75歳以上では8.5%であり約2倍となります。

高齢者の家庭内事故の特徴では
     階段等からの転落、転倒
「転落」30.4%、「転倒」22.1%の順で、中でも「階段」によるけがが最も多く、具体的には階段の段差でつまずくなどです。また、足がもつれて家具にぶつかる、ベットから降りるとき、靴下が引っ掛かる、バスマットやじゅうたん、毛布などに足をとられる、風呂場の段差で滑るなど日常的な行動の中で事故が起きています。

75歳未満では「転倒」は8.5%ですが、75歳以上になると29.1%と飛躍的に転倒事故
が増えています。高齢になるほど下肢の筋肉の衰えや、何かの動作中に別のことに注意を向けることが難しい場合に転倒しやすくなっています。
     屋外作業中の転落
「階段」による事故以外では、庭木の剪定作業や、屋根の雪下ろし等での脚立やはしご等からの転落事故で、重大事故につながり死亡事故も発生しています。
     食料品の誤飲・誤嚥
「誤飲・誤嚥」は48件あり、うち2件は死亡事故。誤飲はむすびや食パンなどを喉につまらせた事故が主ですが、除草剤や漂白剤の薬品類、薬の包装紙の誤飲もありました。
     着衣着火でのやけど
「熱傷」は69件ありそのうち「着衣着火」は11件(15.9%)で1件は死亡事故。仏壇のローソクの火や、ガスコンロの火から着衣があり、消火が遅れると重症化するケースが多くなります。
     風呂場での転倒・やけど

風呂場の事故は10件で、そのうち転倒が7件、「熱傷」は1件だが「重症」でした。 


続きは明日を御覧ください。


0 件のコメント:

コメントを投稿