2014年10月23日木曜日

平成25年度学校保健統計調査のポイント  「ぜん息」は6歳児がピーク 4.39%

文部科学省は平成263月「平成25年度学校保健統計調査結果」を公表しました。この調査は<学校における幼児、児童及び生徒(以下「児童等」という)の発育及び健康の状態を明らかにすることです。また、昭和42年から継続調査の「ぜん息」についても公表されています。

調査対象は満5歳から17歳までの児童等の一部で約400万人が対象です。
今回調査のポイントは

1.   身長の平均値の推移では平成6年度~13年度あたりをピークに、その後は横ばい傾向。
昭和23年当時と比較すると8歳時男子は117.4cm128.2cm10.8cmの伸び、同じく17歳男では10.1cmの伸びで170.7cmとなっています。

2.   体重の平均値の推移では、平成10年度~18年度あたりをピークに、その後減少傾向。
昭和23年当時と比較すると8歳時男子は22.0kg27.1kg7.1kgの増加、同じく17歳男では11.1kgの増加で62.8kgとなっています。

3.   年間発育量の世代間比較(身長・体重)
男子・女子ともに身長、体重のいずれも、現代に近い世代ほど早期に増加。
身長・体重(男子)の場合、昭和15年度生まれの年間発育量のピークは14-15歳、昭和40年生まれではピークは12-13歳に、平成7年度生まれでは11-12歳となっており早期の増加傾向となっています。

.「ぜん息」
  平成25年度の「ぜん息」の者の割合は、前年度と比すると、中学校では増加し過去最高となっているが、幼稚園、小学校及び高等学校では減少。

昭和42年度より調査していますが、平成25年度の各学校段階では、幼稚園が2.13%(昭和42年度は0.29%)、小学校が4.15%(同0.25%)、中学校が3.22%(同0.08%)、高等学校が1.90%(0.03%)となっております。昭和42年度よりの47年間で各学校段階で数十倍にと飛躍的に増えています。これは大気汚染や室内空気質に大きな原因があると思われます。平成15年のF☆☆☆☆規制以後も平成22年度まで右肩上がりの増加傾向でしたが、幼稚園及び小学校では2年連続、高等学校では3年連続減少の傾向がでています。

年齢別では6歳から14歳の各年齢で3%を超えており、6歳が4.39%と最も高くなっています。6歳以降は年齢が進むにつれて減少しています。

ぜん息は空気の通り道である気道が常に炎症を起こしている病気です。この気道の炎症がアレルギー反応によっておこるものを「アトピー型(アレルギー性)」、それとは違う仕組みでおきるものを「非アトピー型(非アレルギー性)」とよんでいます。
こどものぜん息の約90%、おとなのぜん息の約60%がアトピー型ぜん息といわれ、ぜん息にはアレルギー反応が大きくかかわっていると言えます。

アレルギーには体内や皮膚に触れる空気質が大きく影響しています。まだ免疫力が低いこどもには、良質な空気環境が必要です。住宅の空気質を測定し、化学物質の濃度を知ることや、化学物質が検出されたら減衰方法を講じるなど、こどもを取り巻く空気環境を改善しましょう。



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