2014年10月30日木曜日

【環境省・VOC環境濃度調査について】

環境省から毎年度行われている「VOC環境濃度調査」の実施内容について公表されています。この調査の目的は<大気汚染防止法>に基づくVOCは排出抑制対策の効果を確認するために行われ、全国56地点で、24時間サンプリングを年4回(春・夏・秋・冬)し、対象物質はH24年度は19物質(トルエン・キシレン・酢酸エチル・デカン・アセトンなど)で、H25年度は58物質が対象となっています。

調査結果が公表されているのはH22年度の内容です。
【VOC排出量の推移】では、国内の固定蒸発発生源からの排出量は平成12年度に比べると44%減少しており、「着実に削減している」としています。
H12年度:142万トン⇒H17年度:111万トン⇒H22年度:79万トン
*国内の移動発生源からの排出量はH17年度:49万トン⇒H22年度:35万トン

【VOC環境濃度の推移】では、H17年度 0.091ppmCがH22年度には0052ppmCと 
 43%減となっており、「VOC排出量だけでなく、実際の環境中のVOC濃度も確実に減少していることが確認できた」としています。

*「ppmC(炭素換算濃度)」とは排出基準値で使われる単位です。通常使われる「ppm」は容量濃度です。単一成分の場合にはppmに炭素数を乗じたものが「ppmC」となります。例えばトルエン(炭素数7)1ppmは、7 ppmCと換算されます。

この調査報告を見る限り、国のVOC排出量は確実に削減され、濃度も減少しており国の大気汚染対策は一定の効果をあげているようです。

ここ数年越境汚染として「PM2.5問題」が大きくなってきました。PM2.5は非常に多くの化学物質が含有されています。調査対象の物質も含まれており、全体の濃度にどのような影響があるか否か新しい発表が待たれます。


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