柔軟仕上げ剤の売れ行き増加と共に、「におい」による苦情・クレームも急増しています。
2008年春、花王、P&G、ライオンオン大手3社から香り系柔軟剤が相次いで発売され、市場は大きく成長しました。それにつれ「におい」を元とする問題がクローズアップされています。
今年の1月27日のブログ(ReN通信)で、名古屋の大西ハウジング・大西社長からのお話しとして【幼稚園での「香料自粛」の動き】を紹介致しました。
この内容は、大西様が多くの子どもが通う幼稚園で、それぞれの家庭から持ち込む様ざま「香り」が原因となるアトピー・ぜんそく・アレルギーを防ぐため、[香料自粛のお願い]を、CSあいちReの会の協力で作成し、保護者の方々に配布し協力を呼び掛けたお話しでした。
国民生活センターでは2013年9月19日、「柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供」として、PIO-NET(パイオネット:全国消費者生活情報ネットワーク・システム)に寄せられる「柔軟仕上げ剤のにおい」に関する相談が増加傾向にあり、収集した相談内容を分析し、公表しました。
相談の概要は、PIO-NETに寄せられた「柔軟仕上げ剤のにおい」に関する相談件数は、最近急増しており、相談187件のうち危害情報(商品等に関し、身体にけが、病気等の疾病を受けた)は61%(115件)で急増、内訳では被害者の性別・年代は30歳台~50歳台の女性が70%、被害にあった場所は「家庭」が92%を占めています。
相談の内容は、本人が柔軟仕上げ剤を使用したところ“においで気持ち悪く、体調不良になる”、“せきが止まらなくなり、医師に複数の薬を処方された”という事など。
また、多くのケースは隣家など他人が使用した場合の相談で、“近隣からのにおいで悩まされる”、“隣人の洗濯物のにおいがきつ過ぎて頭痛や吐き気がある”、頭痛や気分が悪くなる化学物質過敏症に苦しむ人がいる事を知ってほしい“というものです。
柔軟仕上げ剤のにおい成分について、国民生活センターでは商品テストを実施しましたが、製品の元となる香料成分は、数千種類あるといわれ、殆どの成分は同定できなかったとの事ですが、いくつかの成分は香料原料や香料の溶剤等として使われる化学物質として推定されたとの事です。
さらに、柔軟仕上げ剤を使用した洗濯物を干した際の室内空気質の状態をみるため、室内空気中の総揮発性有機化合物(TVOC:トータルVOC)を調べたところ、柔軟仕上げ剤を使用しない場合と微香タイプの柔軟仕上げ剤を使用した場合では、それぞれ約20μg/㎥の上昇だが、強い芳香のある柔軟仕上げ剤を使用した場合では約70~140μg/㎥上したとの事です。
続きは明日をお楽しみに
0 件のコメント:
コメントを投稿